「せっかく作ったのに、ひと口も食べてくれない」「白いごはんとパンしか食べない日が続いている」。子どもの偏食がひどいと、栄養は足りているのかな、私の作り方が悪いのかな、と毎日の食事がつらくなってしまいますよね。
先にお伝えすると、幼児期の偏食は多くの家庭で見られるもので、親の料理の腕やしつけのせいと決めつける必要はありません。この記事では、1〜6歳ごろの子どもの偏食がひどいときに考えられる理由と、無理強いせずにできる工夫、相談を考えたい目安をまとめました。できそうなものを1つ選ぶつもりで読んでみてくださいね。
子どもの偏食がひどいのはなぜ?考えられる4つの理由
偏食には、子どもなりの理由があることが多いと言われています。理由の見当がつくと「わがまま」ではなく「まだ苦手なんだな」と受け止めやすくなります。どれに当てはまるかは子どもによって違い、いくつか重なっていることもあります。
初めての食べ物を警戒している
幼児期は、見慣れない食べ物を警戒しやすい時期だと言われています。昨日まで食べていたものを急に嫌がる、見ただけで「いらない」と言うのも、この時期によく聞く姿です。
味・におい・食感に敏感
苦味や酸味、青くさいにおい、ぐにゃっとした食感などが苦手な子もいます。大人には気にならない小さな違いを強く感じていることもあり、感じ方には個人差が大きいようです。
噛む・飲み込むのがまだ大変
繊維の多い葉物野菜、かたい肉、皮のあるトマトなどは、噛む力が育つ途中の子には食べにくいことがあります。「嫌い」ではなく「食べにくい」が理由になっているケースです。
おなかが空いていない・気持ちが向かない
食事の前におやつやジュース、牛乳をとっていると、食卓についた時点でおなかが満たされていることがあります。眠い、遊びを中断された、テレビがついているなど、食べること以外の理由で進まない日もあります。

偏食がひどいときに、まず手放したい3つの対応
工夫を足す前に、やめるだけで食卓の空気が軽くなることがあります。どれも子どもを思ってのことなので、やってしまっていても自分を責めないでくださいね。
無理に口へ入れる・完食を求める
無理に食べさせると、食事の時間そのものが嫌な記憶になりやすいと言われています。「ひと口だけでも」と何度も迫るのも、子どもによっては負担になるようです。食べるかどうかは子どもに任せる、くらいの気持ちで大丈夫です。
ごほうびや罰と結びつける
「食べたらデザートね」「食べないなら遊べないよ」という声かけは、その場では効いても、苦手な食べ物を「我慢するもの」として印象づけてしまうことがあります。
ほかの子やきょうだいと比べる
「〇〇ちゃんは食べられるのに」と比べられても、苦手なものが食べやすくなるわけではありません。比べる相手は、数か月前のその子自身で十分です。
無理強いしない!今日からできる工夫6つ
すぐに食べられるようになることを目指すのではなく、「食卓に苦手なものがあっても平気」という状態を少しずつ作っていくイメージです。合う方法は子どもによって違うので、反応を見ながら選んでみてください。
1. 食べなくても、少量を食卓に出し続ける
苦手なものは、ひと口分だけお皿のすみや小皿にのせます。食べなくても、見る・においをかぐ・触るだけで「知っているもの」に近づいていくと言われています。残されても「今日は見ただけだね」で終わりにしましょう。
2. 食べられるものを必ず1品入れる
毎食、その子が確実に食べられるものを1つ用意します。「これなら食べられる」があるだけで、子どもは安心して食卓に座りやすくなります。
3. 切り方・かたさ・味つけを変えてみる
同じ食材でも、形や食感が変わると食べられることがあります。
- 繊維が気になる野菜は、細かく刻む・やわらかく煮る
- 生がだめなら加熱する、加熱がだめなら生のスティックにしてみる
- 混ざっているのが苦手な子には、具材を分けて盛りつける
- 刻んで混ぜ込む場合も、だまし討ちにせず「にんじん入りだよ」と伝える
なお、ナッツ類や豆、ミニトマト、ぶどうなど丸くてつるっとしたものは、年齢によっては誤って気管に入るおそれがあるとされています。小さく切る、年齢に合わない食材は避けるなど、安全面を優先してください。
4. 買い物や料理に参加してもらう
野菜を選ぶ、レタスをちぎる、混ぜる。食べる前に食材に触れる機会があると、「自分が関わったもの」として興味を持ちやすいようです。

5. おなかが空くリズムを作る
食事の前はおやつや甘い飲み物を控える、おやつの時間と量をだいたい決めておく、といった調整で、食事どきにおなかが空きやすくなります。
6. 食事の時間を区切り、大人も一緒に食べる
だらだら続けるより、30分ほどを目安に「ごちそうさま」にするほうが、親子ともに疲れにくくなります。大人がおいしそうに食べる姿を見せることも、興味を持つきっかけになると言われています。
栄養が心配なときは「1週間」で見る
食べる量や内容は日によってムラがあるのが幼児期です。1食ごとに完璧を目指すと苦しくなるので、1週間くらいの幅で「主食・たんぱく質のもの・野菜や果物のどれかが口に入っているか」を眺めてみましょう。
野菜が苦手なら果物や具だくさんの汁物、肉が苦手なら卵・豆腐・魚など、同じ仲間の中で食べられるものを探す考え方もあります。ただし、足りているかどうかの判断は子どもの体格や体質で変わります。アレルギーがある場合や、食べられる食品がかなり限られている場合は、自己判断せず専門家に確認してください。
こんなときは小児科や自治体の栄養相談へ
次のような様子があるときは、家庭の工夫だけで抱え込まず、相談を考えてみてください。
- 体重が増えない、または減っている
- 食べられる物が極端に少なく、数種類だけの状態が続いている
- 水分もあまりとれていない、元気がないなど体調面が気になる
- 口に入れるとえずく、吐いてしまうことが多い
- 親が食事の時間をつらく感じ、追い詰められている
相談先には、かかりつけの小児科、乳幼児健診、市区町村の保健センターの栄養相談(管理栄養士や保健師に相談できる窓口)、保育園・幼稚園の先生などがあります。内容は自治体によって違うので、お住まいの地域の窓口に確認してみてください。
「この程度で相談していいのかな」と迷うときこそ、相談して大丈夫です。数日分の食事内容をメモしていくと、状況を伝えやすくなります。なお、この記事は一般的な情報で、診断や治療の代わりになるものではありません。

まとめ
子どもの偏食がひどいときのポイントを振り返ります。
- 幼児期の偏食には、警戒心・感覚の敏感さ・食べにくさ・空腹のリズムなど、子どもなりの理由があることが多い
- 無理に食べさせる、ごほうびや罰と結びつける、ほかの子と比べる対応は手放してみる
- 少量を出し続ける、食べられるものを1品入れるなど、無理強いしない工夫から1つ試す
- 栄養は1週間くらいの幅で見る
- 体重が増えない、食べられる物が極端に少ないなど心配なときは、小児科や自治体の栄養相談へ
偏食は、今日明日で変わるものではないかもしれません。食べなかった日も、一緒に食卓を囲めたならそれで十分です。
作る側の負担を減らすことも大切です。冷凍野菜や総菜に頼る日があってもかまいませんし、献立づくりの手間を減らしたい方は、子育て世帯の食材宅配をタイプ別に比較した記事も参考にしてみてください。食材宅配で偏食がなくなるわけではありませんが、親の手間を減らす選択肢のひとつになります。


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